研究 (Research)

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光符号化と情報科学を駆使した光イメージングの革新 (Innovations in optical imaging using optical encoding and information technology)

准教授 中村 友哉(産業科学研究所) NAKAMUARA Tomoya(SANKEN (The Institute of Scientific and Industrial Research))

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 産業科学研究所 (SANKEN (The Institute of Scientific and Industrial Research))

研究の概要

ビッグデータを基盤とする高度視覚情報技術が目覚ましい発展を遂げています。この恩恵を最大化するためには、実世界の光ビッグデータを効率的に取り込むイメージング系の性能向上が重要です。計算機の進展を背景に開拓されている新しい光イメージング技術「コンピュテーショナルイメージング」は、光符号化と画像再構成を組み合わせることにより、結像を基礎とした従来型イメージング手法の物理限界を打ち破るものとして期待されています。私は特に、圧縮センシング、超解像イメージング、レンズレスイメージング、ホログラフィなどの研究テーマに取り組んでいます。図1は、レンズレスイメージングの実験系です。レンズレス撮像系(図中白枠は拡大写真)を用いて撮影を行うと、対象物の符号化画像が得られます(計測データ)。この画像を入力として計算機内で逆問題を解くことで、視認可能な画像(再構成データ)を得ることができます。

図1 光符号化と画像再構成処理によるレンズレスイメージング

研究の先に見据えるビジョン

ビッグデータ時代に向けた次の光技術を創る

情報科学は、既存の光学の問題に対して補助的な付加価値を提供するに留まらず、効果的な利用の下では、その限界問題の解決に貢献し得る可能性を有しています。ビッグデータ時代の光入力・出力装置はこれまでのデザインと根本的に異なる最適設計が求められるはずであり、光技術に蓄積のある我が国が世界に先駆けてその技術を具現化することは、今後の科学及び産業の国際競争を考える上で重要です。コンピュテーショナルイメージングは光学と情報科学の融合設計を考える技術領域であり、このような「ビッグデータ時代に向けた次の光技術」の実現に直接的に貢献します。

担当研究者

准教授 中村 友哉(産業科学研究所)

キーワード

コンピュテーショナルイメージング/圧縮センシング/符号化撮像/画像再構成

応用分野

医療/生命科学/環境計測/セキュリティ/エンターテイメント

※本内容は大阪大学 経営企画オフィス制作「大阪大学若手研究者の取組・ビジョン2022」より抜粋したものです。