研究

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フェムト秒パルスレーザを用いた極限超音波技術の創出

助教 長久保 白(工学研究科)

  • 理工情報系
  • 工学研究科・工学部

研究の概要

大きさ10–100 nm のデバイスや結晶・物質は、半導体産業や材料科学・生命科学の根幹に深くかかわっています。しかし、それらの特性を直接正確に計測したり観察したりすることは一部の手法に限られているため、材料の力学特性の計測や外部刺激に対する応答などにはまだまだ大くの課題が残されています。
私が創出に取り組んでいるTHz領域の極限超音波技術は、フェムト秒パルスレーザによる「超音波の励起」と、超精密加工を用いた「超音波を焦点化する音響レンズ」を組合せたもので、実現すれば、10-100nmの領域における革新的な音響計測法となります。既に、フェムト秒パルスレーザを照射することによって、GHz領域での超音波や磁化振動を励起・検出することには成功しており(図1, 2)、今後は超音波の焦点化のためのナノ超音波顕微鏡の開発や、ナノイメージング・センシングへの応用を進めていきます。

図1 独自に構築したレーザ超音波計測システム
図2 フェムト秒パルスレーザを照射することで高周波の超音波や磁化振動を励起検出することに成功

研究の先に見据えるビジョン

社会実装から新たな知の創出まで幅広に!

極限超音波技術を創出した後には、ナノ力学特性の解明や力学刺激による細胞機能の促進、タンパク質の成長観察といった「知の発見・基本原理の解明」、そして先端半導体の検査など「研究成果の実利用」の両方に貢献していきたいと考えています。

担当研究者

助教 長久保 白(工学研究科)

キーワード

ナノ薄膜/弾性率計測/レーザ超音波法/音響計測/スピントロニクス/圧電体

応用分野

スマホ/機能性材料/情報記憶デバイス/バイオセンサ/非破壊検査

※本内容は大阪大学 経営企画オフィス制作「大阪大学若手研究者の取組・ビジョン2022」より抜粋したものです。