ウェアラブル生体計測デバイスの開発　～フレキシブル有機薄膜電子回路技術の活用～

研究の概要

健康寿命の延伸のため、いわゆる「未病」状態を早期に発見する事が重要とされており、日常的な健康管理を目的としたスマートウォッチ等の利用が活発になっています。しかし、現状のウェアラブルデバイスで計測可能な生体情報はいまだ限定的であり、より多くの情報を、より手軽に、そして日常的に計測可能なデバイスの開発が望まれています。
我々はこれまでに、フレキシブル有機電子回路技術を利用した世界最薄・最軽量のノイズ除去機能を有する低ノイズ心電計測シートの開発に成功しました（図1, 2）。このようなフレキシブル・軽量・低ノイズ性といった特徴は、日常的な生体計測において重要なデバイス性能です。また、今後より多くの生体情報の計測を目指し、脳波・心電などの生体電位信号だけではなく、人の心身状態をより直接的に反映する汗、涙、間質液中の生体代謝物濃度を連続計測するためのデバイス開発を行っています。

研究の先に見据えるビジョン

健康で豊かに暮らせる未来社会の実現

時間と場所を選ばず、人々が手軽に活用できるウェアラブル・ヘルスケアデバイスを実現する事により、日常的な健康管理と、医療との間に存在するギャップを埋め、人々が健康で豊かに暮らせる未来社会の実現に向けて研究開発を進めて参ります。

担当研究者

特任准教授　植村 隆文（産業科学研究所）

キーワード

有機半導体／フレキシブルエレクトロニクス／ウェアラブル／バイオセンサ

応用分野

生体計測技術／デジタルヘルスケア／遠隔医療／IoTセンサ

※本内容は大阪大学 経営企画オフィス制作「大阪大学若手研究者の取組・ビジョン2022」より抜粋したものです。