研究

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日常生活IoTモニタリングに基づく健康リスクの予測と制御

特任教授 中村 亨(データビリティフロンティア機構)

  • 全学・学際など
  • データビリティフロンティア機構

研究の概要

ICT/IoTの発展・普及により、日常生活下における個人の行動や生理、心理、周辺環境データを、長期間にわたり経時的・連続的に計測できるようになりつつあります。しかし、このような健康関連ビッグデータから有用情報を抽出し、発症予測や個人適応的な治療・介入へと発展・展開する科学的方法論の確立には至っていません。我々は、日常生活下におけるIoT計測に基づく、心身の状態把握、変調・不調の早期検知、先制的制御(予測的に疾患発症や重症化を避けるための誘導・指導を行う「制御」)に関する研究を行っています。これまで、様々な精神疾患や発達障害のIoT計測による客観的評価、さらには、双極性障害患者の身体活動データを連続的に計測し、病態遷移兆候の把握に繋がるその動力学的特性を明らかにしました(図1)。これらは精神疾患の客観的診断や発症予測などにつながると期待されます。

図1 超長期身体活動モニタリングに基づく双極性障害患者の連続的・客観的病態把握と病相遷移時期の検知

研究の先に見据えるビジョン

健康リスク制御による次世代AIoT健康医療

IoTによる大規模な健康関連データと人工知能、あるは数理モデリング等を用いることにより、個人の日々の健康状態や疾患発症に関わる健康リスク(未病状態)が高精度に推定・予測することが可能になると考えています。
さらに、心身の不調や変調の検知に基づく、個人にとって適切で効果的な発症回避方法や治療などの先制かつ自動的な制御(予測的に疾患発症や重症化を避けるための誘導・指導を行う「制御」)への展開も期待されています。このような次世代AIoT(AI+IoT)健康医療の時代の到来を見据えた基盤技術の開発を目指しています。

担当研究者

特任教授 中村 亨(データビリティフロンティア機構)

キーワード

IoT/健康情報学/健康リスク/未病/行動変容

応用分野

心身の健康/疾患発症予測/ウェルビーイング

※本内容は大阪大学 経営企画オフィス制作「大阪大学若手研究者の取組・ビジョン2022」より抜粋したものです。