研究

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見えない枝葉構造を正確に再現 ~人工知能と画像解析でつくる未来の栽培技術~

准教授 大倉 史生(情報科学研究科)

  • 理工情報系
  • 情報科学研究科

研究の概要

農業従事者の減少や高齢化に伴い、農作業の省力化、栽培管理ノウハウの継承、品質の向上を同時に実現することが困難になっています。この社会課題の解決に向け、我々は人工知能と画像解析による、植物栽培管理の基盤となる技術の開発に向けて研究を進めています。

植物の栽培管理の自動化には、枝ごとの成長の把握・管理が欠かせません。深層学習による画像変換技術と三次元復元を組み合わせ、隠れて見えない部分の枝構造を推定することで、枝全体の構造の高精度な再現に成功しました(図1)。また、実際の圃場で継続的に取得したセンサデータ・植物構造を蓄積した「植物ライフログ」を構築することで、緻密な生育解析・予測の実現につながる基盤技術・ツールを開発しています。これらの技術は、遺伝子発現と植物の形状・構造・成長過程等の表現型を対応付けるためにも欠かせない、植物科学研究の重要なツールになります。

図1 枝構造の復元の流れ

研究の先に見据えるビジョン

「未来の栽培」実現で、本質部分に人手をかける

ドローンやロボットによる撮影画像をもとに、植物の成長過程を枝葉レベルで日々管理し、最適な剪定方法の提案や将来の生育予測を可能とする「未来の栽培技術」を開発します。そして、作物品質や栽培環境の改善といった、本質的な部分にこそ人手をかけられる社会の実現を目指します。

未来の栽培(例)

担当研究者

准教授 大倉 史生(情報科学研究科)

※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2019/0v3yxu/

キーワード

三次元復元/コンピュータビジョン/コンピュータグラフィックス/植物ライフログ

応用分野

農業工学/スマート農業/仮想化植物モデル/植物フェノタイピング

※本内容は大阪大学 経営企画オフィス制作「大阪大学若手研究者の取組・ビジョン2020」より抜粋したものです。