研究 (Research)

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時系列ビッグデータを分析・予測するリアルタイムAI技術 (Real-time AI technology for Mining and Forecasting Big Time-series data)

准教授 松原 靖子(産業科学研究所) MATSUBARA Yasuko(SANKEN (The Institute of Scientific and Industrial Research))

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 産業科学研究所 (SANKEN (The Institute of Scientific and Industrial Research))

研究の概要

交通システムや環境測定等におけるセンサネットワーク等、様々なIoTビッグデータは、そのデータ量ゆえにリアルタイムでの有効活用が困難でした。我々は非線形動的モデルを用いた学習・分析により、時系列ビッグデータからリアルタイムに重要なパターンを発⾒し、将来の事象を予測し、システムを最適化するAI技術を開発しています(図1)。

図1 テンソル解析に基づくリアルタイム予測

その一つとして、我々はIoTビッグデータから時系列モデル間の因果関係(要因−結果関係)を捉え、事象の連鎖をモデル化することにより、高精度かつ高速に要因分析・将来予測を行う技術の開発に成功しました(図2)。現時点において、この技術は深層学習を含む最先端の予測手法の中で世界最高の予測精度と計算速度を示しています。これにより、例えば様々な事故やトラブルの兆候をビッグデータから高速かつ自動的に抽出するための要因分析をリアルタイムに行うことができます。

図2 ビッグデータストリームの動的要因分析と将来予測

研究の先に見据えるビジョン

未来の予測による社会の変革

IoTビッグデータ解析による製造業の変革、付加価値の向上を目指しています。例えば、スマート工場での設備操作の最適化や、自動車走行における事故の予測、ウェブ情報の分析と市場分析、疾患の早期発見と予防を考えています。

担当研究者

准教授 松原 靖子(産業科学研究所)

キーワード

時系列ビッグデータ/リアルタイム将来予測/非線形動的システム/特徴自動抽出

応用分野

IoTビッグデータ(車両走データ解析、スマート工場など)/Webや医療のデータ解析など

※本内容は大阪大学 経営企画オフィス制作「大阪大学若手研究者の取組・ビジョン2020」より抜粋したものです。