研究

最終更新日:

分子の機能を引き出す液晶の技術 ~光でつながる液晶デバイスの開発~

准教授 内田 幸明(基礎工学研究科)

  • 理工情報系
  • 基礎工学研究科・基礎工学部

研究の概要

磁場と光は接触することなくエネルギーを伝えることのできる刺激として、今後のIoTを活用した社会の中で、バッテリーを持たない超小型デバイスの駆動力として利用されると予想されます。また、液晶の自己組織化をうまく使えば、格段に省エネとなることが期待されます。我々は液晶に特有の磁気的性質と光学的性質についての研究を行っています。液晶マイクロカプセル(図1)においては、京都大学と共同でマイクロ流体デバイスを用いたコレステリック液晶マイクロカプセルの作製に世界で初めて成功し、この液晶マイクロカプセルが三次元全方位レーザー発振器として機能することを報告しました(図2)。さらに、分子の集団的知性を用いて液晶ディスプレイに似たモニタ型コンピュータで計算を行うAIや、光でつながるIoTデバイスとしてのマイクロロボットなど、様々な「ディスプレイの次の液晶デバイス」を目指して研究を進めています。

図1 磁石に引き寄せられる液晶マイクロカプセル
図2 全方位にレーザー発振する液晶マイクロカプセル

研究の先に見据えるビジョン

分子の機能を引き出す液晶技術の未来

我々は現在モニタ型コンピュータの実現可能性の実証に取り組んでいます。将来的には、機械学習等に威力を発揮するニューロコンピュータとして、大規模化と大幅な省エネ化、さらにはモバイル化の実現が期待できます。また、光励起による磁気秩序化が可能になれば、金属を含まない高感度の流体材料として、光で繋がるマイクロロボットなどに広く応用されると考えています。

担当研究者

准教授 内田 幸明(基礎工学研究科)

キーワード

液晶マイクロカプセル/分子材料/液晶エマルション/次世代磁性体

応用分野

機械学習/流体材料/薬物送達システム(DDS)/マイクロロボット

※本内容は大阪大学 経営企画オフィス制作「大阪大学若手研究者の取組・ビジョン2020」より抜粋したものです。