研究

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超薄・柔軟な有機エレクトロニクス技術 ~微小信号計測用シート型センサの開発~

教授 関谷 毅(産業科学研究所)

  • 理工情報系
  • 産業科学研究所

研究の概要

世界的に高齢化への対策が課題となる中、人体に優しいフレキシブルなセンサデバイスに注目が集まっています。
我々は、「有機材料の柔らかさを活かしたフレキシブル・ストレッチャブルエレクトロニクス」の作製プロセスを確立し、その有用性を世界に先駆けて実証しました。具体的に実用化したのは、シート型のセンサシステムです。
例えば、脳活動計測システム・パッチ式脳波計(図1)は、世界最薄・最軽量(厚さ6mm、重さ24g)で、額に貼り付けるだけで簡単に脳波の計測を行うことができます。2020年8月に医療機器の認証を取得し、医療用脳波計として、医療の現場からヘルスケアなどへの展開が進んでいます。さらに、橋梁や橋脚などの効率的な点検・管理手法の研究開発も進めています。壁紙のようなシート型センサを「貼り付けるだけ」で構造物の状態を把握できるセンサシステムの実現が期待されます(図2)。

図1 世界最薄・最軽量の医療用シート型脳波計
図2 シート型構造物ヘルスケアシステム

研究の先に見据えるビジョン

フレキシブルICT・AIシステムの社会実装

微小信号計測用シート型センサをAIと組み合わせ、医療・ヘルスケアや大規模構造物の維持・管理、農業等、多様な社会分野を支えることを目指しています。

担当研究者

教授 関谷 毅(産業科学研究所)

※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2023/OURG-01-01/
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2022/nl86_research01/

キーワード

次世代有機デバイス/シート型センサシステム/フレキシブルエレクトロニクス

応用分野

バイタルサインの計測/母子ヘルスケア/大規模構造物のスマート管理システム/農業IoT

※本内容は大阪大学 経営企画オフィス制作「大阪大学若手研究者の取組・ビジョン2020」より抜粋したものです。