研究 (Research)

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ナノスケール立体構造体の造形技術の開発 ~物質開発・デバイス作製の究極のテクノロジー〜 (Development of nanoscale three-dimensional structure moulding technology – the ultimate technology for material development and device fabrication)

准教授 服部 梓(産業科学研究所) HATTORI Azusa(SANKEN (The Institute of Scientific and Industrial Research))

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 産業科学研究所 (SANKEN (The Institute of Scientific and Industrial Research))

研究の概要

ナノ構造作製技術は、物質開発とデバイス作製に関する究極のテクノロジーです。物性を決める電子、スピン、電荷などには、集団系に由来したナノサイズの特性長が存在し、試料サイズを1-10 nmと微小化して特性長と同等程度に迫ると、純粋化した物性の取り出しが可能となります(図1)。それには、精緻なモノづくり力が必要です。我々のグループでは、世界唯一の原子精度のナノ立体構造造形技術を皮切りに、触媒基準エッチング法(CARE)の金属酸化物の適応、ナノ立体構造評価技術の構築など、ナノメートルスケールの立体構造体の造形を可能としてきました。これにより、形状・次元性・サイズを精密に制御したナノ構造体において、マクロサイズ試料中では埋没している機能最少塊の特性を顕在化させ、その特性を様々な分光法、顕微法を用いて多角的に評価し、学理の構築に努めています。

図1 原子精度立体造形技術により、ナノスケールの機能の最小の塊へとアプローチし、物性解明、機能操作エンジニアリングへと展開

研究の先に見据えるビジョン

機能活性化ナノ材料科学によるマテリアル革新

ナノスケール立体構造体を造形することで、その構造と物性の関係を解明し、更にナノの特異性を安定化させる機能性エンジニアリングを確立できれば、極限機能材料の開発や、最大効率ナノデバイスの実現につながります。このような機能活性化ナノ材料科学によるマテリアル革新を通じ、産業界への大きな貢献はもちろん、将来的には、脳機能や人工光合成を再現できるような新しいデバイス作製にも挑戦したいと考えています。

担当研究者

准教授 服部 梓(産業科学研究所)

※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2015/201503_05/

キーワード

ナノ構造作製技術/ナノスケール立体構造体/半導体物理/酸化物エレクトロニクス

応用分野

革新的デバイス製作/デバイス低電力化/脳機能再現/人工光合成

※本内容は大阪大学 経営企画オフィス制作「大阪大学若手研究者の取組・ビジョン2020」より抜粋したものです。