研究

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太陽エネルギー発の各エネルギー間変換技術 ~革新的電子移動触媒の創成〜

准教授 神谷 和秀(基礎工学研究科)

  • 理工情報系
  • 基礎工学研究科・基礎工学部

研究の概要

太陽エネルギーを電気エネルギーや化学エネルギーに効率的に変換する際に欠かせないのが、化学反応を促進する触媒です。このような触媒の研究を続ける中で、我々は、触媒に使用する白金を約80%削減した燃料電池の電極の開発に成功しました。これは、すぐに凝集する性質がある白金を1原子ずつ高密度、安定的に並べることにより実現しました。希少で高価な白金の使用量を大幅に削減できるため、次世代の発電システムとして注目される固体高分子型燃料電池の普及促進に繋がることが期待されています。

また、太陽エネルギーを化学エネルギーに変換する人工光合成の研究にも取り組んでいます。エネルギー変換に際して反応を促進するのが電子移動触媒です。共有結合性有機構造体をベースに、光合成微生物がもつ自己増殖・修復等の機能も参考にして、安価な金属の単一原子(図1)を用いた電子移動触媒の開発をすすめています。

図1 単一金属原子触媒が示す多様な電極触媒機能

研究の先に見据えるビジョン

光・電気・化学エネルギーの効率的な相互変換

無尽蔵な太陽エネルギーの有効利用のため、希少金属の使用量低減あるいは安価な金属による低コストで耐久性のある触媒を開発し、光・電気・化学エネルギーの効率的な相互変換を目指しています。さらに将来的には、太陽電池と電子移動触媒を組み合わせた人工光合成システム構築にも取り組んでいきたいと考えています。

担当研究者

准教授 神谷 和秀(基礎工学研究科)

※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2018/7dsshi/

キーワード

多孔性共有結合性有機構造体/燃料電池/電子移動触媒/単一原子触媒

応用分野

光・電気・化学エネルギーの相互変換/二酸化炭素の還元固定化/各種電池

※本内容は大阪大学 経営企画オフィス制作「大阪大学若手研究者の取組・ビジョン2020」より抜粋したものです。