研究

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Brain-Computer-Interface (BCI) の医療応用

教授 栁澤 琢史(高等共創研究院)

  • 全学・学際など
  • 高等共創研究院

研究の概要

我々は、人の感覚運動野の脳表面に外科的に留置した電極から、高精度な脳波を計測し、AI技術により、体が動かない患者が想像した動きの内容を読み解き、自分の体の代わりにロボットを動かせることを実証しました(図1)。また、人が見た映像の意味を脳表脳波から読み取り、同じ意味の画像をリアルタイムに画面に提示する技術を開発しました。これらは、重度の運動障害患者の運動機能や意思伝達能力を回復する技術として期待されます。
加えて、この技術を使い、腕を失った後に幻の痛みに生じる幻肢痛という難治性の痛みに対し、患者がBCIでロボットアームを動かす訓練を行うことで、痛みを減弱させる治療法を開発しました。今後、より簡便な方法での臨床応用を目指します。

図1 BCIによるロボット操作

研究の先に見据えるビジョン

一度失うと再建・強化できない機能の治療へ

深層学習モデルによる解読技術と脳情報のフィードバックを組み合わせ、新しいBCIや脳機能修飾による治療方法を開発し、言語障害や高次認知機能障害などの治療を目指します。

AIを用いた脳機能の再建と修飾

担当研究者

教授 栁澤 琢史(高等共創研究院)

キーワード

BCI/BMI/ロボット/幻肢痛/脳可塑性/人工知能

応用分野

重度運動麻痺患者の運動補完/新たな情報通信手段の構築/精神疾患の治療

※本内容は大阪大学 経営企画オフィス制作「大阪大学若手研究者の取組・ビジョン2020」より抜粋したものです。