研究

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フューチャー・デザイン : 将来世代に持続可能な社会を引き継ぐための仕組みのデザインと社会実践

教授 原 圭史郎(工学研究科)

  • 理工情報系
  • 工学研究科・工学部

取組要旨

大阪大学大学院工学研究科テクノアリーナ最先端研究拠点部門「原フューチャー・デザイン革新拠点」および同研究科附属フューチャーイノベーションセンター/ビジネスエンジニアリング専攻フューチャー・デザイン領域(原研究室)では、将来世代に持続可能な社会を引き継ぐための社会の仕組みや社会システムをデザインし実践する「フューチャー・デザイン」を研究対象としています。また、これらの仕組みや方法論を、政策立案や社会・技術システムの設計等に応用し、自治体や政府、産業界などのステークホルダーとの共創を通じて、持続可能社会の形成に関わる研究と実践を進めています。
フューチャー・デザインを工学的・学際的に深化させることで、「将来世代」の概念を明示的に取り込んだ新たな社会工学の基盤構築を目指すとともに、資源エネルギー問題、カーボンニュートラル、まちづくり、防災、研究開発・技術イノベーション戦略、教育システムなどの様々な課題領域において応用と実践を進めています。

研究成果・インパクト

気候変動や資源エネルギー問題、技術革新など、SDGsに関わる目標やテーマの多くは世代をまたぐ長期課題と関連しています。これらの課題に対処し持続可能な社会を導くには、現世代と将来世代の利害対立を乗り越え、将来世代の利益も考慮した意思決定や行動を生み出す社会の仕組みが必要です。将来世代に持続可能な社会を引き継ぐための様々な社会の仕組みや社会システムをデザインし実践するのがフューチャー・デザインです。
特に、将来世代の代表者(代理人)として、社会的な意思決定や合意形成に臨む役割を持つ「仮想将来世代」と呼ばれる新たな仕組みの有効性が既往研究で明らかになっており、この方法を導入した様々な実践が公共政策分野や産業分野で始まっています。

オルガノ株式会社によるR&D戦略をテーマとしたフューチャー・デザイン

SDGs目標はいずれも長期的なテーマです。この目標に向かって取り組んでいくためには、現世代と将来世代の利害対立を乗り越え、持続可能な意思決定を導くための新たな社会の仕組みやアプローチが必要です。フューチャー・デザインは、将来世代に持続可能な社会を引き継ぐための仕組みをデザインし実践する新たな研究分野であり、多様な課題領域において産学官の共創を通じた実践が進んでいます。「仮想将来世代」等の新たな仕組みを導入することで、長期的視点に立った意思決定が可能であり、結果としてSDGs目標達成に向けた実践も加速できる可能性があります。大阪大学では様々な専門領域の研究者が集い、他大学や研究機関そして自治体・産業界などのステークホルダーと連携したフューチャー・デザイン研究と実践を進めています。SDGs目標そして持続可能社会の形成に向けて、これからも皆様と共に研究活動や実践をご一緒したいと思います(以下のサイトも参照ください)。

大阪大学大学院工学研究科テクノアリーナ最先端研究拠点部門「原フューチャー・デザイン革新拠点」
https://www.cfi.eng.osaka-u.ac.jp/fd-research/

大阪大学大学院工学研究科附属フューチャーイノベーションセンター/ビジネスエンジニアリング専攻 フューチャー・デザイン領域(原研究室)
https://www.cfi.eng.osaka-u.ac.jp/hara/

担当研究者

教授 原 圭史郎(工学研究科)

キーワード

フューチャー・デザイン/仮想将来世代/産学官共創/社会転換とイノベーション

応用分野

カーボンニュートラル/まちづくり/産業技術イノベーション/防災/資源エネルギー問題