研究

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情報通信技術を用いた医学研究プラットフォームRUDY JAPAN

加藤 和人(医学系研究科)

  • 医歯薬生命系
  • 医学系研究科・医学部(医学専攻)

取組要旨

難病・稀少疾患の研究は、対象となる患者さんの数が非常に少ないことから、1つの医療機関や研究機関で研究を進めていくことが難しい状況です。加藤和人教授らは、難病・稀少疾患への理解を深めるため、ネット上で患者さんが症状や日常生活に関する情報を自ら登録する、情報通信技術(ICT)を用いた医学研究プラットフォームRUDY JAPAN(ルーディ ジャパン)を運営しています。これまでに、いくつかの筋疾患や遺伝性血管性浮腫の患者登録が進められており、2020年6月には、表皮水疱症という皮膚難病についても登録が開始されました。登録された情報から、患者さんが抱えている困難の本質をより正確に把握することができます。この研究では、患者さんと協働で運営する新しい取り組みも実践しています。患者さんとともに歩み、生の声を活かすことで、医療ケアの質向上や効率化が期待されています。

研究成果・インパクト

希少疾患を患う人は、8000種類ともいわれる疾患をすべて合わせると人口の5%にも達すると言われています。国連のSDGsの理念「人間」に掲げられている「すべての人間が尊厳と平等の下に、そして健康な環境の下に、その持てる潜在能力を発揮することができること」という目標の達成に本プロジェクトは貢献します。大阪大学が掲げる「いのちをまもる」「いのちをはぐくむ」という目標にも沿っています。また、患者と研究者が協働するというモデルを実践を通して社会に提示することで、同様の活動が広まることが期待されます。その結果、RUDY JAPANの対象疾患の患者だけでなく、多様な希少疾患の人々、さらにはそれ以外の様々な疾患の人々にも恩恵がもたらされ、社会全体にインパクトを与えると期待しています。

担当研究者

加藤 和人(医学系研究科)

※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2020/specialite_001_6/

キーワード

情報通信技術(ICT)、難病・稀少疾患、患者参画

応用分野

さまざまな希少疾患対象の医学研究への応用、ICTを用いた健康管理システムへの応用