研究 (Research)
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遠隔歯科診療の実現のためのAI研究
野崎 一徳(歯学部附属病院)
取組要旨
超高齢社会ならびにコロナ新時代に生きる我々が、人同士の密な接触を避けるなどの新たな行動様式をとるようになり、人間社会を形成してきた対面でのコミュニケーション頻度が減少している中で、新たなウェルフェア、ウェルネスを実現していくために、本院ではICT科学技術の健康・福祉・医療への抜本的な導入に取り組んでいる。1つ目は全診療内容の記録による医療従事者と診療機器を統合したデジタルツイン構築、2つ目は医療空間の安全安心な空気環境生成とサイバーフィジカルシステムによる診療快適化、3つ目は医療画像などの医療情報を用いた教師あり学習による判別系AIの遠隔医療サービス化である。特に3つ目は公的な機関として全身状態の鏡とされる口腔状態をAIを用いて評価し、さらに地域医療全体の保健医療体制を鑑みながら、最適なタイミングで受診勧奨や行動変容につながる情報提供等を行い、地域経済や人口動態に配慮した持続可能な健康医療行政を支援するエビデンスとソリューションを提供するためのフィージビリティ・スタディとなっている。
研究成果・インパクト
来る大阪・関西万国博覧会を想起した時、コロナ新時代においては自国のみの健康医療水準の向上を果たすだけでは不十分であることが明らかとなっている。すなわち、世界を先導する役割を我が国が今後担うのであれば、健康医療に関して超高齢社会を克服する手段として、持続可能で全世界にスケールする手法を編みだす必要がある。我々の取り組みは、全世界が今後抱える超少子高齢社会におけるウェルネス、ウェルフェアの水準を高めるために、ICT科学技術を軸とした医療全体の定量化とSDGs実現のための最適化を行うためのウェーブフロントの役割を担うものである。
担当研究者
野崎 一徳(歯学部附属病院)
キーワード
分散環境、プライバシー保護、健康医療情報、遠隔医療、高性能計算
応用分野
遠隔オフィス環境、個別最適化、ヘテロ分散木機密データベース、医療の平準化