研究

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資源循環型の持続可能な社会の実現に向けた高機能固体触媒の開発

水垣 共雄・満留 敬人・山口 渉(基礎工学研究科)

  • 理工情報系
  • 基礎工学研究科・基礎工学部

取組要旨

21世紀のモノづくりでは、循環型社会の構築に向けた省資源・省エネルギーがキーワードとなる。触媒は、化学プロセスの90%以上で用いられているとも言われ、モノづくりや資源・エネルギー分野において必須の技術である。我々の研究グループでは、ほしいものだけをつくり廃棄物を出さない、資源を有効に利用するグリーン・サステイナブルケミストリー(GSC)の概念に基づく、環境に優しい化学プロセスの開発を目指し、温和な条件で高選択的な物質変換を可能とする新規な触媒の開発を行っている。規則正しく配列した金属イオンや金属ナノ粒子、合金ナノ結晶を精密に設計することで、温和な条件で高活性を示す新規な固体触媒を開発し、再生可能資源であるバイオマス由来化合物の有用物質への高選択的変換や、有害廃棄物を排出しないクリーンなファインケミカルズ合成を、高選択的に進行させる新規な固体触媒プロセスの実現を目指している。さらに、希少資源である貴金属を用いず、安価で入手容易な非貴金属へと代替する高機能触媒開発へと展開している。

研究成果・インパクト

我々が日常で用いている衣類やプラスチック、洗剤、医薬品、燃料など、ほぼすべての物質の製造や、車やボイラーの排気ガスの浄化、殺菌や消臭に至るまで、触媒を用いない生活はありえない。我々の研究グループでは、化石資源由来の原料から再生可能なバイオマス由来原料への代替や、二酸化炭素の化学原料への変換、有害物質の無害化、ポリマーリサイクルなど、SDGsが目標とする持続可能な人類社会の発展に貢献する、高機能触媒の開発を行っている。例えば高温高圧が必要な従来の反応プロセスを常温常圧下で進行させることや、従来用いられてきた高価な貴金属触媒を代替する銅や鉄など安価で入手容易な非貴金属触媒を開発するなどの成果は、プロセス全体を通してエネルギーの有効利用や地球温暖化ガスの実質排出0に向けても大きく貢献できるものである。

担当研究者

水垣 共雄、満留 敬人、山口 渉(基礎工学研究科)

備考

当研究グループの最近の新聞報道
・科学新聞 2021年4月30日 記事タイトル「高活性なリン化コバルトナノロッド触媒 「化学工業で重要」カルボニル化合物のアミノ化反応を変える 阪大が開発に成功」
・プレスリリース 2021年4月22日 「世界最高効率で麦芽糖の水素化反応に成功!!」https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2021/20210422_2
・プレスリリース 2021年4月9日 「化学工業で重要なカルボニル化合物のアミノ化反応に革新」https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2021/20210409_3
・プレスリリース 2021年2月4日 「グルコース水素化反応用の合金ナノ触媒を開発」 https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2021/20210204_1
・科学新聞 2020年6月26日 記事タイトル「新規の非貴金属ナノ触媒 発火性なく高活性 阪大が開発」
・化学工業日報2020年6月26日 記事タイトル「ニトリル水素化触媒開発 スポンジニッケル代替」
・日刊工業新聞2020年6月17日 記事タイトル「安全・安価でアミンへ変換 阪大、高効率触媒を開発」

キーワード

グリーン・サステイナブルケミストリー、固体触媒、金属ナノ粒子、バイオマス変換

応用分野

化学産業、材料、環境・エネルギー