研究

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Society5.0実現化研究拠点支援事業「ライフデザイン・イノベーション研究拠点」関連 IoTデバイスを用いたエッジコンピューティングの実行基盤と人やモノの状況認識技術の開発

東野 輝夫(情報科学研究科)

  • 理工情報系
  • 情報科学研究科

取組要旨

大阪大学は、2018年秋より文部科学省のSociety 5.0実現化研究拠点支援事業「ライフデザイン・イノベーション研究拠点」をスタートさせました。本事業では、人々の医療・健康情報であるパーソナル・ヘルス・レコード(Personal Health Records : PHR)に、日常生活、職場/学校での活動、食事、スポーツ活動など、日常生活の様々な活動データを加えたパー ソナル・ライフ・レコード(Personal Life Records : PLR)を収集し、ウェルネス、ライフスタイル、エデュテインメントの3つの分野でPLRの利活用を目指した研究プロジェクトを実施しています(http://www.ids.osaka-u.ac.jp/ildi/)。そのためにPLR収集基盤を実際に構築し、個人データの適切なアクセス制御や一元管理の方法をベースに、大学や関連病院に通院する患者の自宅を実証フィールドとし、具体的な有効性を各研究プロジェクトで実証していくことを目指しています。また、これらの基盤技術となる、IoTデバイスを用いた人やモノの状況認識技術やエッジコンピューティングの実行基盤技術を創出することで、スマート社会の実現に向けた取り組みを行っています。

研究成果・インパクト

心と体の健康増進やQOLの向上、学びや楽しみの実現に役立つような高付加価値PLRデータベースの構築を行うことで、あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進するためのイノベーションの創出や、エナジーハーベストなIoTデバイスの開発とそれらを用いた人やモノの状況認識技術の創出などを行うことで豊かな社会生活の実現に向けた取り組みを行いたいと考えています。 さらに5G通信技術をベースにエッジコンピューティングベースのICTの実行基盤技術を創出することで、スマートシティなどを含めたスマートな社会を構築するための取り組みも行っています。

担当研究者

山口 弘純(情報科学研究科)

備考

「ライフデザイン・イノベーション研究拠点」事業において実施される様々な情報関連プロジェクトに対して、データの取得から保持・利活用に至る研究の各ステージにおいて、倫理的・法的・社会的課題(ELSI)や安全・セキュリティの観点から配慮すべき事項を抽出し、それらに対応するために必要な手続きを作成しています。特に、ELSI対応をあらかじめ設計に組み込み(「バイ・デザイン」アプローチ)、各プロジェクトの類型ごとに、法的な観点(L)、倫理的な観点(E)、社会的な観点(S)を網羅した手順をプロセスとして確立し、実施者が使用しやすいガイドラインや手順書を作成しています。これらの取り組みを通して、個人情報の二次利用を社会に浸透させるための取り組みを行っています。

キーワード

ライフデザイン、デジタル医療、IoT、エッジコンピューティング、人やモノの状況認識

応用分野

デジタル医療、高齢者見守り、健康スポーツ、健康年齢の向上、eラーニング、COVID-19対策