研究 (Research)
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人の脳の優れた認知メカニズムに倣った脳型認知分類技術の研究開発
村田 正幸・加納 敏行・荒川 伸一(情報科学研究科)
取組要旨
消費電力、かつ少量データで学習、認知することができる人間の脳活動メカニズムが、脳活動計測技術の高度化に伴い次第に解明されつつある。本研究では脳の認知メカニズム研究の成果を応用した脳型認知分類技術の研究開発に取り組み、ベイジアンアトラクタモデルを拡張することで脳型認知分類プロトタイプを完成させた。ネットワーク運用管理応用の実証実験ではネットワーク利用効率の急激な悪化に対して10秒程度で50%以上のネットワーク帯域利用効率の改善ができることを示した。さらに、医療診断(統合失調症診断)補助応用の実証実験も実施し、40程度の眼球運動特徴の学習量で80%以上の診断精度を達成した。本研究成果の普及展開に向け、2つの展示会(CEATEC2019、Japan IT Week関西2020)にて展示を実施し、750名を超える来場者の意見や要望を収集している。さらに、プロトタイプの一部機能をオープンソースソフトウェアとして公開し、企業研究者らにアプローチしている。
研究成果・インパクト
現在の人工知能技術、特に深層学習は、大量のデータを莫大な計算資源と電力を用いてコンピュータに学習させることで実現している。しかし、適用分野によっては大量のデータや莫大な計算資源等を用意すること自体が困難であり、例えば、少ない症例データに基づく分析が必要な医療分野や省エネルギー性が必要なデバイス等への展開等、人工知能技術が十分に活用できていない分野にインパクトを与えうるものとなっている。これにより、エネルギー効率の改善(7.3 )、経済生産性向上(8.2)、環境に配慮した技術プロセスの導入拡大(9.4)、コンピュータ作成時に消費される天然資源(12.2)、医療保健人材の能力開発・訓練(3.c)への貢献が期待できる。
担当研究者
村田 正幸、加納 敏行 、荒川 伸一(情報科学研究科)
キーワード
認知分類、脳認知科学、発達・学習、ネットワーク制御、ネットワーク運用管理
応用分野
ネットワーク運用管理、医療診断・診断補助、コミュニケーション支援