研究

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細胞機能オートファジーの研究による健康長寿社会の実現

吉森 保(生命機能研究科)

  • 医歯薬生命系
  • 生命機能研究科

取組要旨

全ての細胞に備わる分解機能オートファジーは、細胞成分の新陳代謝や細胞内有害物の除去を通して細胞の恒常性維持に働いている。近年、発がん、神経変性疾患、生活習慣病、感染症、炎症性疾患など様々な疾患を抑制していることが判ってきている。本担当者は、2016年のノーベル医学生理学賞受賞者である大隅良典博士の下でオートファジーの研究を開始し、大隅博士の酵母における成果を哺乳類に発展させ、現在の分野発展の礎を築き、その後もオートファジーの免疫機能を発見するなど一貫して世界的リーダーとして分野に貢献してきた。最近では、加齢によりオートファジーが低下するメカニズムを明らかにし、その除去によって動物の寿命が延長し、かつ運動量低下やパーキンソン病等の各種の加齢性疾患が抑制されることを見出している。これらのこれまでの実績と蓄積を社会実装すべく、2019年に大学発ベンチャーを起業した。すでに事業会社とサプリメントの共同開発を行い、販売が開始された。また、創薬のシーズとなる化合物を複数同定し、大学から特許出願を行った。

研究成果・インパクト

オートファジーは、上述のように多岐に渡る疾患に関与しており、社会的に重要な疾患の予防治療のターゲットとなりうるため、世界的に製薬企業の注目を集めている。とりわけ我々の成果は、超高齢化社会の喫緊の問題である健康で長生きの実現に直結し、すべての人に健康と福祉を与えるための大きな一歩となりうる。オートファジーの応用は、命を守り繋ぎ育む全ての局面に有用である。さらに、創薬にとどまらない食品や化粧品開発を目指すことで、産業と技術革新の基盤作りにも貢献しうる。また農業及び漁業への応用は飢饉の撲滅、海洋・農産資源保護にも繋がる。

担当研究者

吉森 保(生命機能研究科)

キーワード

細胞、オートファジー、老化、寿命、疾患、創薬、食品

応用分野

医学、創薬、食品開発