研究

最終更新日:

環境リスクのマネジメントと権利論の意義について

松本和彦(高等司法研究科)、共同研究者(大久保規子・法学研究科)

  • 人文学社会科学系
  • 高等司法研究科

取組要旨

環境リスクの軽減・管理のための法的枠組みのあり様を解明するため、公法の基本原理(民主主義原理及び法治国家原理)に遡り、予防原則と比例原則に基礎づけられた環境法の法構造を研究している(科研基盤C「環境リスクマネジメントの公法学的基礎理論研究」)。同時に、世界環境憲章は日本の環境法政策にいかなる影響を与えるかを問う共同研究「世界環境憲章と国際・国内の環境規範のあり方に関する研究」(環境研究総合推進費・大塚直代表)のサブテーマ「主要国の国内法における環境権と参加原則」のサブテーマリーダーを務めている。また、環境権と自然の権利を比較検討する「自然の権利の理論と制度」(科研基盤A・大久保規子代表)においても、研究分担者として関わり、さらに、大阪大学内で立ち上げられた「社会ソリューションイニシアティブ」(SSI)の基幹プロジェクト「SDGs指標の改善を通じた環境サステナビリティの促進」(大久保規子代表)においても、研究協力者として関わっている(http://www.ssi.osaka-u.ac.jp/activity/core/environmentalsustainability/)。上記いずれの研究も、公法学研究の視角から、環境権を中心とする権利論の意義と役割を再検討し、環境リスクの軽減・管理を図る基礎理論の構築に貢献するものとなっている。  

研究成果・インパクト

いのちを「まもる」ためには、気候変動や生態系の攪乱といった環境リスクの軽減・管理を図る必要があるが、環境リスクの軽減・管理のための具体的な措置を執ろうと思えば、国際的な協働の枠組みとともに、国内における法的枠組みを追求せざるを得ない。しかし、対処療法的な法的対策では、特定の環境リスクに対する場当たり的な対応にとどまるだけでなく、対抗リスクの顕在化に手を貸すだけの結果に終わりかねない(リスク・トレードオフ)。それゆえ、法的枠組みの構築にあたっては、基礎理論を踏まえた俯瞰的な視点が求められる。本研究はそうした俯瞰的視点から環境リスクの軽減・管理を図る法的枠組みを提示する。

担当研究者

松本和彦(高等司法研究科)、共同研究者(大久保規子・法学研究科)

備考

研究協力者として関わる「社会ソリューションイニシアティブ」(SSI)の基幹プロジェクト「SDGs指標の改善を通じた環境サステナビリティの促進」(大久保規子代表)の研究会において、「環境保護と民主主義」及び「実体的及び手続的権利としての環境権」と題する2つの研究報告を行った。

キーワード

環境リスク、環境権、予防原則、比例原則、世界環境憲章

応用分野

公法学、環境学