研究

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1細胞分泌実時間イメージング顕微鏡法の開発

原田 慶恵(蛋白質研究所)

  • 理工情報系
  • 蛋白質研究所

取組要旨

細胞が分泌するホルモン、サイトカイン、細胞外小胞などの細胞間メッセージ物質は、細胞が情報をやり取りし、協働的に生体システムを制御していく上で重要な役割を果たしています。近年、微細加工技術・マイクロ流体技術の発展に伴って細胞分泌を1細胞単位で定量解析する技術の開発が世界中で進められています。その結果、同じように刺激した同じ種類の細胞でも分泌するかしないか、また、分泌するとしてもその量やタイミング、リズムが異なっているなどの個性が見られることがわかってきました。私たちは、このような細胞分泌のありのままの姿を可視化する“1細胞分泌実時間イメージングプラットフォーム”を蛍光サンドイッチ免疫染色法と全反射蛍光顕微鏡技術を融合することによって開発しました。例えば、炎症やアレルギーを誘導するサイトカインが活性化された免疫細胞から盛んに分泌される様子を観察することができます。

研究成果・インパクト

このプラットフォームは、マウスから採取した細胞やヒト臨床検体細胞、ES細胞、iPS細胞などに応用できることから、精密医療における機能的血液診、創薬における表現型スクリーニングや毒性評価、再生医療における細胞製剤の品質管理や効率的な分化制御の評価など様々な応用が期待されます。

担当研究者

原田 慶恵(蛋白質研究所)

キーワード

ホルモン、サイトカイン、分泌細胞、免疫

応用分野

創薬、再生医療