研究

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アレルギーフリー・安全ゴム手袋の開発

芝田 育也(環境安全研究管理センター)、榎本憲秀(ミドリ安全㈱)

  • 全学・学際など
  • 環境安全研究管理センター

取組要旨

 作業用使い捨てゴム手袋は、大量に消費される必要な装備品であり、感染性物質、腐食性物質、有害物質の皮膚からの侵入から守る重要な役割を果たしている。しかしながら、ゴム中に含まれている硫黄成分との接触によりアレルギーに悩まされる作業従事者が後を絶たない問題点がある。一方、硫黄はゴムの特性発現のため、高分子成分に対する架橋剤として必要なものである。このような背景から、硫黄成分を含まない架橋剤を用いることができれば、懸案を払拭することができる。そこで、硫黄成分を含まず有機分子のみからなる架橋剤を新たに開発し、ゴム成分に添加して手袋を作成し、従来製品を凌ぐゴム手袋を開発することを目的とする。製品開発過程に必要な分子設計、成分評価による構造分析の手法を確立する。本研究は、製品開発に実績のあるミドリ安全㈱との共同研究により遂行している。

研究成果・インパクト

 上記の背景のもと、SDGsの”つくる責任つかう責任”事項と関連して、硫黄成分を含まない有機分子からなる架橋剤を新たに開発し、それをゴム成分に添加して、薄膜成形しゴム手袋を作成する。純来の含硫黄製品との機能の差異を評価し、それらをしのぐ特性を有する製品を開発している。 製造コストを従来製品と大幅に変わらないように努力する必要があるが、これにより、製品が、従来製品から本製品に大きくシフトする可能性がある。現状における使い捨てゴム手袋の使用状況から勘案して数十億円の市場規模になるものと考えられる。市場規模だけでなく、本製品によりもたらされるアレルギー低減効果には、SDGsの”すべての人に健康と福祉を提供する”といった原理と一致する。

担当研究者

芝田 育也(環境安全研究管理センター)、榎本憲秀 (ミドリ安全㈱)

キーワード

ゴム、アレルギーフリー

応用分野

合成ゴム全般