研究

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血漿から脳神経由来エクソソームを分離する技術の開発

工藤 喬・赤嶺 祥真・柳田 寛太・丸谷 典子・金山 大祐(キャンパスライフ健康支援センター)

  • 全学・学際など
  • キャンパスライフ健康支援センター

取組要旨

エクソソームは様々な細胞から体液中(血漿など)に分泌される脂質二重膜の包まれた小胞であるが、その内部は親細胞の環境(蛋白、DNA、RNAなど)をそのまま保存している。エクソソームの膜表面には親細胞の膜表面に存在する特異蛋白も保存されていることから、これをターゲットとして特定の細胞からのエクソソームを分離することが可能である。我々は脳神経由来エクソソーム(NDE)の脳神経特異的な膜蛋白(membrane protein X: MPX)を同定し、これに対する抗体を用いて免疫沈降法により血漿から分離する技術を開発している(特願2019-239839)。NDE内は脳神経細胞内の環境を保存しているため、神経細胞内の変化をリアルタイムに解析することができるリキッドバイオプシーの位置づけができる。従って、アルツハイマー病をはじめとする認知症の早期診断バイオマーカーになりうる。また、うつ病などの精神神経疾患の診断バイオマーカーとなる。

研究成果・インパクト

高齢化社会を迎え、「いのちをまもる」観点から如何に健康寿命を延ばすかの命題が挙げられる。近年アルツハイマー病の疾患修飾薬が開発されつつあるが、これらの薬剤は疾患のごく早期に投与しないと効果が得られないことが明らかになりつつあり、認知症の早期発見が重要なポイントとなる。我々の技術を血漿から簡便に脳神経の状況を把握でき、ごく早期の認知症の診断が可能となる。                                              「いのちをまもる」観点から自殺予防も最大のテーマである。自殺の多くはうつ病などの精神疾患が関与しているため、これらの確実な生物学的診断は極めて重要である。我々のこの技術によれば、確実な精神疾患の診断を可能にするものである。                                              

担当研究者

工藤 喬、赤嶺祥真、丸谷典子、金山大祐(キャンパスライフ健康支援センター)

キーワード

エクソソーム、バイオマーカー、アルツハイマー病、うつ病、リキッドバイオプシー

応用分野

医療(精神神経疾患診断)