研究 (Research)
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人工知能を用いた自動認知行動療法技術の開発
工藤 喬・金山 大祐・足立 浩祥(キャンパスライフ健康支援・相談センター)
取組要旨
認知行動療法はうつ病、不安障害をはじめとして多くの精神疾患に対してエビデンスが多数報告され、最も確立された精神療法である。しかし、研修を受けた治療者の数に限りがあり、診察時間の制約などから、認知行動療法の臨床現場の広がりはまだまだ不十分といえる。我々は、図のようなエージェントを用いた人工知能が駆動する認知行動療法技術を開発している。認知行動療法には、認知再構成法、問題解決技法、行動活性化法などがあるが、今回は認知再構成法にターゲットを絞っている。この技術では、認知行動療法の効果判定をクライアントの発語や表情をレコードし、解析する。その解析結果をもとに、認知行動療法の進行を調節するようにする。
研究成果・インパクト
「いのちをまもる」観点から自殺予防も最大のテーマである。自殺の多くはうつ病などの精神疾患が関与している。認知行動療法はこのような精神疾患に有効性が証明されているが、臨床的な広がりはまだまだといえる。我々の開発する技術は、いつでも、どこでも、簡易に認知行動療法が利用できる環境を提供する。また、コロナ禍において自殺者の増加が予測されており、昨今の社会状況で必要とされる「遠隔精神療法」としても有効な技術である。
担当研究者
工藤 喬・金山 大祐・足立 浩祥(キャンパスライフ健康支援・相談センター)
キーワード
認知行動療法、人工知能、うつ病、自殺予防
応用分野
医療(精神神経疾患治療)