研究 (Research)
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激甚化する自然災害から取り残される人を減らすための総合防災の取組み (Multidisciplinary disaster prevention approach from gigantic natural disasters)
准教授 杉本 めぐみ (人間科学研究科 行動経済学研究センター(兼担1)・放射線科学基盤機構(兼担2)) SUGIMOTO Megumi (Graduate School of Human Sciences <Adjunct 1>, Institute for Radiation Sciences <Adjunct 2>)
研究の概要
国連事務総長の言う『地球沸騰化』時代に入りました。激甚化する自然災害から一人でも多くの命が助かるだけでなく、DE&Iの視点から取り残されがちな災害時要支援者やマイノリティなど誰もが安心して健康な避難生活を送れること。BCP等を用いて企業は資産を守ること。これらを目標に自然と調和のとれたサステナブルな防災の最適化アプローチを探る研究をしています。できるだけ早く災害現場に入ってフィールド調査を社会に伝えるアウトリーチ活動もし、最終的には防災政策に落とし込むことを目指しています。例えば、2022年トンガ沖の噴火で起きた大気波による津波被害からインフラサウンドの研究者とのプロジェクト。災害医療に携わる歯科医やDMATチームと『多職種連携の災害支援を担う高度医療人養成』(https://kumamoto-dmerc.com/program_h30)プログラム。原発避難や大阪大学の浜通りスクール等、様々な領域の研究者や国連等国際機関の専門家と共に防災の学際研究・教育・支援に取り組んでいます。
研究の背景と結果
2004年インド洋津波最大の被災国インドネシア共和国で政府機関・赤十字(INGO)・国連・専門家とマルチステークホルダーの立場で被災地支援の経験を積みました。被災地のアチェ州は、2004年当時紛争地でもあり、インドネシア社会は自然災害の「百貨店」と緊急支援対応ばかりでなく、貧困や感染症等の様々なSDGsの課題が山積みの最前線で問題解決のためのプロジェクトに取り組む機会を得ました。このような途上国支援の経験に加え国内外の世界先端の科学者や医療従事者と知遇を得る機会に恵まれました。子どもむけの地域の災害教訓を盛り込んだ防災ハンドブックをユネスコから多言語で出版し無料でダウンロードして利用できるようしました(URL参照)。学際連携の成果となる防災教材なりました。
また2016年熊本地震の復興支援に携わった同僚とオムニバス講義を開始し、学生を被災地に引率し、講義を『九州の防災―熊本地震からあなたの身の守り方を学ぶ』(2018年3月)の編著代表として1冊にまとめました。国際連携や社学連携の在り方を探ることも研究テーマにし、企業や行政や報道機関の方々とも一緒にBCPにも取組んでいます。
2023年度は大阪府の委託を受けて津波に対する府民の津波防災意識の調査を行いました。2024年度は調査結果を行動経済学者が防災行動に結び付けたプロジェクトに発展させたり、知見を共有して阪大の協定大学であるインドネシア気象庁(BMKG)などの政府機関や阪大の協定大学と防災教育のプロジェクトを始めたりと、地域に根付いたコミュニティ防災活動から国際連携へとさらに発展させてまいります。
2025年6月内閣府より本件を含めた活動に対し「男女共同参画の視点に立った防災・復興におけるチャレンジ特別賞」を受賞し関係者の皆様に感謝申し上げます。さらに12月インドネシア気象庁と人科でOOS協定を締結しました。

担当研究者
准教授 杉本 めぐみ (人間科学研究科 行動経済学研究センター(兼担1)・放射線科学基盤機構(兼担2))
キーワード
気候変動、津波、BCP、減災、コミュニティ防災、DE&I
応用分野
気候変動、グローバルヘルス、STS(科学技術社会論)、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)
参考URL
https://www.osaka-u.ac.jp/en/news/global_outlook/Perspectives/persp_202404
https://www.gender.go.jp/public/commendation/women_challenge/katudoug-r07.html#special
https://www.hus.osaka-u.ac.jp/mirai-kyoso/ja/omnisite/activity/251215/
https://www.unesco-school.mext.go.jp/materials/world-handbook-on-local-disaster-management-experiences/
