研究 (Research)

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高性能フレキシブル熱電変換デバイスの開発と応用

菅原 徹(産業科学研究所)、伊庭野 健造(工学研究科)

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 産業科学研究所 (SANKEN (The Institute of Scientific and Industrial Research))

取組要旨

研究グループでは、半導体チップ加工と実装プロセスにより「フレキシブル熱電変換デバイス」を研究開発しています。
この熱電変換デバイスの熱エネルギーを電気エネルギーに変換できる特性を活用することで、私たちの生活環境や人体から発する熱を効率よく回収するとともに、私たちの日々の健康状態や工場やインフラなどを『見守る』次世代のIoTセンサ機器の電源として活用します。
また、この熱電変換デバイスは、電気エネルギーを熱エネルギーに変換できる特性もあります。この特性(ペルチェ効果)を利用して、『暖かさ』や『冷たさ』を伝えるデバイス(温冷触覚デバイス)を作製しています。この温冷触覚デバイスは、新しい感覚を視聴覚に偏ったスマートフォンに代表される現代の情報端末に付与することができます。

高効率フレキシブル熱電変換デバイス

研究成果・インパクト

この研究開発により、低コストかつ未使用率の高い常温近傍(100℃以下)の廃熱を効率よく回収することができます(SDGs7)。Society5.0やSDGs7の目標を実現するためにCPS(サイバー・フィジカル・システム)の情報インフラ(IoTセンサ機器)を支える自律分散(オフグリッド)型電源システムの社会実装が期待されます。
また、この熱電変換デバイスは、小型・軽量かつフレキシブルなペルチェ素子として利用できるため、全く新しいエンターテインメントコンテンツとしてメディア機器やエンターテインメント機器、視聴覚室生涯者への情報呈示などに応用が期待されます。さらに、パーソナルエアコンや局所冷却機器などの各種医療機器として社会実装が期待されます。このペルチェ技術を利用したデバイスの社会実装は、SDGs3、SDGs8、SDGs9およびSDGs11の目標達成に貢献することができます。

担当研究者

菅原 徹(産業科学研究所)、伊庭野 健造(工学研究科)

キーワード

熱電変換、発電、エネルギー・ハーベスティング、ペルチェ、メディア、コンピュータ・ヒューマン・インタラクション、IoT機器、サイバー・フィジカル・システム

応用分野

IoT機器の電源、見守り、各種ウェアラブル機器

備考

参考URL
https://kit-sugahara-lab.net
https://tohru-sugahara.com