研究 (Research)
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ワイヤレス体内埋込型ブレインマシンインターフェースの研究開発
脳機能診断再建学共同研究講座
取組要旨
ブレインマシンインターフェース(Brain-Machine Interface: BMI)とは、脳活動を人工知能で解読して、考えただけで機器を操作することを可能にする技術です。筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷等による重症の身体障害は、患者本人の苦しみだけでなく、介護負担の苦しみを引き起こし、大きなsocial painとなっています。これを解決するために、私達は、頭蓋内電極により正確に脳波を計測することにより、人工知能の性能を最大限に引き出して、高性能の機器操作を可能にする体内埋込型BMIを世界に先駆けて研究開発し、医療応用を目指しています。さらに、その実現のために、医療機器企業、電子部品企業と共同研究を行うとともに、大学発ベンチャー会社を設立し、社会実装に取り組んでいます。
研究成果・インパクト
重症の身体障害は、患者本人の苦しみだけでなく、介護負担の苦しみを引き起こし、大きなsocial painとなっています。ALS患者の自殺ほう助事件は記憶に新しいが、重症身体障害者とその家族は、生への希望と絶望、介護負担の狭間で苦しんでいます。ALS患者が人工呼吸器装着により延命を選択する率が20%程度に過ぎないことは、この苦しみがいかに大きいかを表しています。
体内埋込型BMIは、重症身体障害者が身体機能と、生への前向きな気持ちを取り戻すだけでなく、社会復帰への道を切り開き、誰一人取り残さない世界の実現に貢献します。将来的には、身体障害者のsocial painを解決するだけなでなく、Internetを介して脳と脳がつながる、能力と能力がつながる、人と人がつながる、ヒトとモノがつながる未来社会を開拓する基盤技術となります。
担当研究者
平田雅之(医学系研究科)
※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2012/120901_2/
キーワード
ブレインマシンインターフェース、筋萎縮性側索硬化症、機能再建、social pain
応用分野
医療、介護、Internet of Human(IoH), Internet of Ability (IoA), Internet of Brain (IoB)