研究

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微噴凍結乾燥を用いた多血小板血漿の凍結乾燥保存(大阪大学医学部との共同研究)

アルバック未来技術協働研究所

  • 理工情報系
  • 工学研究科・工学部
  • 協働研究所

取組要旨

不妊症をもたらす原因疾患として,子宮内膜委縮(EA/AS)があり,疾患部位の血管新生が治療につながると考えられている.しかし,確立した治療法はない.血小板数が通常の4~7倍の濃度の多血小板血漿(PRP)を使った治療は整形外科,形成外科領域で創傷治療,再生医療に臨床応用されている.上記不妊治療に対しても,PRP療法は血管新生の治療効果が期待できる.近年,実際にPRP療法がEA/ASの治療に応用されたが,その有効性は定かでない.骨再生医療の分野で,調整したPRPにさらに凍結乾燥を施した凍結乾燥PRP(PRP-FD)が報告されている.凍結乾燥後もPRPの血小板数・活性化の維持が示されており,復元時に加水量を調節しさらに濃縮させることで,骨再生の治療効果が高まったという報告もある.
アルバックは通常の凍結乾燥を発展させた,微噴凍結乾燥(μPowder Dry)という装置を開発販売している.この装置では,調整したPRPを真空中に噴射する.水の蒸発熱が奪われることで噴射液滴は短時間で急速凍結するので,その氷の結晶が大きくならない.これまでに,μPDで作製したPRP-FD粉末の治療に有効な成長因子の濃度,活性率等を調べた.今後,融解時加水量を調整して濃縮したPRPを投与し,子宮内膜増殖効果を検討する.さらにその組織再生の機序の解明を図る.

研究成果・インパクト

本研究は,まさにいのちを「つなぐ」ための不妊治療の分野において新しい安全性の高い治療法を提示し,不妊治療の有効性を向上させる.また,組織再生に関して得られる知見は,従来の整形外科,形成外科領域においても治療の効果の改善に貢献する.特に高齢者の機能の衰えを緩和し,「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し,福祉を促進する」というSDGsの目標に合致する.

担当研究者

上松 天(アルバック未来技術協働研究所),伴田 美佳(大阪大学医学部 )

キーワード

凍結乾燥

応用分野

医薬品