研究 (Research)

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リアルタイム非破壊検査システムの開発

ダイヘン溶接・接合協働研究所

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 接合科学研究所 (Joining and Welding Research Institute)
  • 協働研究所 (Research Alliance Laboratory)

取組要旨

金属表面にパルスレーザを照射することで、金属内部で超音波が生じる。この超音波を利用して、溶接中に生じる内部欠陥をリアルタイムで検知する技術の研究開発に取り組んでいる。溶接はその作業工程そのものによって内部に欠陥を有する可能性があり、作業後に検査を必要とすることから特殊工程と呼ばれる。切断、掘削などを伴わず内部の欠陥を検知する、いわゆる非破壊検査技術として超音波探傷技術が用いられている。一般的な超音波探傷では、探触子という超音波を送受信する部品を検査部分近傍に押し当てる必要があるが、レーザ超音波探傷では非接触で超音波を送受信する。非接触であるためロボットに搭載し、これまで自動化されてこなかった超音波探傷を自動化することが可能となる。加えて、高温となる溶接中の溶接部近傍を直接探傷することができる。本研究では、一台のロボットに溶接用トーチとレーザ超音波探傷装置を持たせ、溶接と検査を同時に一つのシステムで完結させることを目標としている。さらには、内部欠陥だけでなく接合強度に寄与する溶け込み深さのモニタリング技術としての応用にも取り組む。

研究成果・インパクト

溶接中にリアルタイムの検査ができるようになると、不良品を後工程に回すことなく歩留まりが向上し、省資源およびエネルギー消費を削減することができる【目標9】。溶接と検査を同時に実施するシステムが開発できるとオートメーション化が可能になり、生産性の向上による生産現場の技術革新に大きく寄与する【目標9】。自動化からIoT化に発展することで、一層の働き方改革が求められるWithコロナの時代において在宅まま遠隔で検査結果が確認できる【目標8】。また、検査結果の自動判定の実現により、少子高齢化による技能伝承の課題である脱技能化のみならず、国や地域ごとの技術格差の是正も可能である【目標10】。

担当研究者

恵良哲生((株)ダイヘン)、門田圭二((株)ダイヘン)、浅井知(接合研・特任教授)、佐野智一(工学研究科・教授)、野村和史(工学研究科・講師)

キーワード

自動化、脱技能化、リモート管理

応用分野

溶接を用いた製造分野、超音波による自動検査