研究

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塗布薄膜ホログラフィック光学フィルムの開発とその応用

講師 吉田 浩之(工学研究科 電気電子情報通信工学専攻)

  • 理工情報系
  • 工学研究科・工学部

研究の概要

従来、光学機器における光の制御にはレンズやミラーなどの古典的素子が使われていたが、最近では、特に小型軽量な回折型の光学素子が用いられることも多くなってきた。但し、これらの回折型光学素子では、光波長程度の極めて微細な周期構造を材料中に作りこむ必要があり、大型化が極めて困難であった。
吉田助教のチームは、コレステリック液晶という特殊な液晶材料を用いることにより、基材上に二次元配向パターンさえ形成すれば、この基材に上記液晶を塗布するのみで、自己形成的に微細な三次元構造が構築でき、所望の光学特性を得られることを見出し、この技術によって、安価に大きなサイズのホログラフィック光学素子を製造できることを実証した。本技術によれば、基材上の二次元パターンの配置を変更することで、様々な光学特性をもつホログラフィック光学素子を容易に製造することが可能であり、また、塗布成膜製造が可能であることから、ロールツーロールの大量生産で、大画面の光学素子を製造することが可能となる。

(図1) 原理
(図2) 実験装置

社会実装に向けた将来展望

本技術を使用すれば、AR/VR用の眼鏡型デバイスなどに用いる薄型軽量の光学素子を安価に生産することが可能であり、さらには、様々な光学特性を薄膜にて実現できること、大画面化が容易である特徴を生かして、透明ディスプレイや、照明機器、将来的には3Dディスプレイなどへの応用も可能であると考えられる。

(図3) 応用分野

担当研究者

講師 吉田 浩之(工学研究科 電気電子情報通信工学専攻)

キーワード

光学素子/ホログラム/回折/AR/VR/ディスプレイ

参考URL

http://opt.eei.eng.osaka-u.ac.jp

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。