研究 (Research)
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世界システムの転換点としての1970年代―石油危機の衝撃
秋田 茂・菅 英輝(文学研究科 招聘教授)、玉村 伸(特任研究員)
取組要旨
1970年代の二回の石油危機によって、近代世界システム・世界経済はいかに変容し、21世紀現代世界の原型が形成されたのか、東アジア、南アジア、アフリカを比較して考察する。東南アジア諸国を含む「広義の東アジア地域」の経済成長(東アジアの奇跡)はなぜ可能になり、南アジアの農業開発「緑の革命」は成果を上げる一方で、アフリカの経済開発政策はなぜ失敗して「南南問題」が生まれたのか。グローバルヒストリー研究の「双方向的比較」(bilateral comparison)の手法を用いて、上記3地域での経済援助(ODA)、民間投資の動向と関連づけて分析する。加えて、石油危機を通じて国際金融は、ブレントン=ウッズ体制から「民営化された国際通貨システム」へといかに変容したのか、オイルマネーの行方に着目して考察している。
研究成果・インパクト
現代の「東アジアの奇跡」(輸出志向型工業化)がなぜ可能になったのか、アフリカ地域はなぜ相対的な停滞状況に陥ったのか、それを打開する諸政策はいかに行われたのか、南アジア(インド)はなぜ持続的な経済開発が可能になったのか、歴史的視点から考察することで、現代世界の「持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップ」の在り方について提言が可能になる。
担当研究者
秋田 茂、菅 英輝(人文学研究科招聘教授)、玉村 伸(特任研究員)
備考
本研究は、5年間の国際共同研究を、科研費(基盤A:史学一般)で行っている学際的研究である。
キーワード
石油危機、経済援助、「緑の革命」、輸出志向型工業化、国際金融の民営化
応用分野
歴史学(政治経済学)、国際関係論、開発経済学、農学、アジア・アフリカ地域研究